中小M&A事情

中小企業のM&A業界の事情、日常を紹介、解説するブログです

中小M&A仲介会社の平均年収は30代で1,200~2,200万円!

 

いきなり俗な話になりますが、中小企業のM&A仲介会社の平均年収はかなり高いです。

ビジネス誌では「上場企業平均年収ランキング」なんて記事が毎年よく出ているので人気企画なのだと思いますが、週刊東洋経済のH27/1時点の記事がありましたので、ランキングを見てみましょう。

 

toyokeizai.net

国内の中小企業専門のM&A仲介会社は3社存在します。

上場時期からあげると、日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライクの3社になります。

先ほどのランキングを見てみると・・・

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東洋経済の上記記事より表を抜粋・一部加工)

 

1位 M&Aキャピタルパートナーズ 平均年収2,253万円!(平均年齢30.5歳)

5位 ストライク         平均年収1,616万円!(平均年齢34.9歳)

21位 日本M&Aセンター     平均年収1,237万円!(平均年齢34.7歳)

と見事に3社とも上位に食い込んでいますね。

 

ちなみに2位のGCA(いつの間にか社名から「サヴィアン」取れてたんですね。。)もM&Aの助言会社ですが、こちらは大企業・クロスボーダー(国際的)を主に取り扱う会社です。

 

そんなに給料を払えるなんて業績はどうなってるの?ということですが、それだけの人件費を払っても売上高経常利益率は40~50%と売上の約半分が利益として出ています。

(直近期、単位:百万円) 売上 経常利益 経常利益率
日本M&Aセンター 19,069 9,070 48%
M&Aキャピタルパートナーズ  3,755 1,860 50%
ストライク  2,006 790 39%

 

<上場3社 財務ハイライト>

財務ハイライト|投資家情報|日本M&Aセンター:No1のM&A支援実績

業績ハイライト - M&A/事業承継のM&Aキャピタルパートナーズ【東証一部上場:6080】

経営成績|業績・財務情報|IR情報|株式会社ストライク

 

 中小企業のM&A仲介業者はどうしてこのような高給をもらえるのでしょう?

 

M&A仲介会社(専業)の収入は、当然ながらM&Aが成約したときの仲介手数料がほとんどを占めます。つまり、M&Aが成約した件数が多いほど売上が上がります。

上場しているM&A仲介会社はいずれもその期に成約したM&Aの件数を発表しています。

 

(単位:百万円) 売上 成約組数 1組あたり売上
日本M&Aセンター 19,069 262 72.8
M&Aキャピタルパートナーズ  3,755 58 64.7
ストライク  2,006 48 41.8

 

 

成約「組数」としているのは、仲介会社は売手・買手の双方からそれぞれ手数料を取る形態ですが、会社によって成約「件数」を売手・買手でそれぞれ別カウント(=M&A1案件成立につき2件とカウント)しているところがあるため、カウント基準をそろえてM&A1案件成立=1組としてカウントしています。

 

上記の表を見ればわかるとおり、M&A1組あたり40~70百万円もの手数料売上が入ります。

 

次に、従業員1人あたりの売上高を見てみましょう。

(単位:百万円) 売上 従業員数 1名あたり売上
日本M&Aセンター 19,069 270 70.6
M&Aキャピタルパートナーズ  3,755 50 75.1
ストライク  2,006 37 54.2

 

M&A仲介業は製造業や卸売業、小売業と違って仕入れ、原価というものがいりません。

 必要経費は人件費、家賃、営業経費(広告費、交通費)、案件紹介料(紹介者へのキックバック)といったものです。つまり、売上がまるまる粗利益になりますので、高い人件費を払えますし、払っても利益が十分残るということです。

従業員1名あたり50~70百万円の売上があり、ほぼイコール粗利益なわけですから、売上の2~3割を給与として支払ってもかなりの利益になりますね。

 

また、最初の東洋経済のランキング表を見てお気づきになったと思いますが、平均年齢も30代と若くなっています。

・中小企業M&A業界はまだ新しい業界であり、勤続年数が比較的短い。

離職率が高く、入れ替わりが激しい。

といった理由によるものだと思います

 

M&Aは実現すれば大きい売上になりますが、まとまらなければゼロというヒャクゼロの厳しい世界です。一度契約が取れれば毎年売上が立つようなストックビジネスではないので、毎年新たな案件を探し求めなければなりません。

そのような業態のため、基本給はそれほど高くなく、ボーナスの占める割合が非常に高いです。

ストライク社の例(PDF注意)でみると、

給与手当 173百万円

賞与手当 290百万円(H28/8期)

とボーナス部分が基本給の倍近くを占めています。

 

たくさん稼ごうと思えば、それだけ良い案件を見つけ出し、成約まで持っていかないといけないわけで、営業力がものをいう狩猟型民族でないと長く働くのは難しいかもしれません。

 

逆に言うと、営業の腕に自信がある!という方は絶賛営業マン募集中なのでトライしてみてはいかがでしょうか。